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【おうち時間の過ごし方】小野不由美の屍鬼を一気読みした話

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こんにちは、ぞうです。

 

まだまだ続く新型コロナウイルスによる外出自粛期間。

みなさんはGWどう過ごされましたか?

 

私はこの期に積み本を消化しようと

読書漬けの毎日を過ごしていました。

 

その中でも続きが気になってしまい一気に読んでしまったのが

小野不由美:著の『屍鬼』!

 

漫画家・藤崎竜氏によるコミカライズやコミカライズ版がアニメ化されており

そちらをご存知の方も多いのではないでしょうか?

 

今回はこの『屍鬼』の感想をダラダラと綴っていきたいと思います。

 

 

あらすじ

人口1300人の小さな村、外場村。外部からは1本の国道しか繋がっておらず、周囲から隔離され、土葬の習慣も未だ残っている。そんなある日、山入地区で3人の村人の死体が発見された。村で唯一の医者・尾崎敏夫は、このことに不信感を持つが、村人達の判断で事件性は無いとされ、通常の死として扱われた。しかし、その後も村人が次々と死んでいき、異変は加速していった。

引用:Wikipediaより

 

 

作者は十二国記シリーズでも有名な小野不由美作。

屍鬼は1998年に新潮社から単行本(上・下巻)、2002年に新潮文庫から文庫本(全5巻)が発行されたホラーサスペンス小説です。

 

どちらかというとホラーよりラストが気になってしまうサスペンス味が強い作品ではないでしょうか。

人が死ぬシーンが全くダメという方でなければ読み進めることができると思います。

 

 

感想 ※ネタバレあり

!ここから先はネタバレありの感想になります!

 

手に取ったきっかけ

この本を手に取ったきっかけは去年の台風19号の時。

大型台風が直撃するということでもしも停電した際の暇つぶしのストックを…と本屋に立ち寄ったのがきっかけでした。

その直前に観た映画の「残穢」の原作を読みたいと探しにいったのですが生憎本屋に在庫がなく…

そこで同作者の「屍鬼」を読むか、と購入したのがきっかけでした。

 

藤崎竜氏のコミカライズ版やアニメは当時リアルタイムで観たはずなのですが

おおまかなあらすじ以外はすっかり忘れており、

新鮮な気持ちで読み進めることができました。

 

 

屍鬼』の面白いところ

村の最終的な運命は序章に描かれている

この話の冒頭での序章、舞台となる外場村が大規模な火災に見舞われるところから始まります。

これは序章にもある通り、「はじまり」ではなく外場村の「終焉」のシーンであり、外場村が最終的にはどうなってしまうかわかった上で物語は進んでいきます。

村の運命がわかった上で始まるストーリーですがなぜ村がそのような終焉を迎えることになったか…その過程がハラハラドキドキで面白く、私が最後まで一気に読みたくなってしまったきっかけでもありました。

 

いい意味で記憶に残らない登場人物たち

屍鬼には主人公と呼べる立場のキャラクターはいません。

主要人物としては、村で唯一の医者であり屍鬼の存在に気づき、抵抗を試みる中心人物の尾崎 敏夫。

敏夫の幼馴染であり僧侶の室井 静信。

主にこの二人の視点で物語が描かれていることが多いのですが、二人以外にも村の住民や屍鬼側と次々と視点が切り替わり物語が進んでいきます。

 

登場人物がとにかく多い!

敏夫や静信の周りの人物だけでなく、村の酒屋の店主やその息子、奥さんの視点もあったり。

と思ったら次のシーンではカフェの店主の視点に切り替わっていたりなど。

本当に目まぐるしく視点が切り替わりどんどん登場人物が出てきます。

 

正直登場人物全員覚えられていません(苦笑)

ですがそのように何気ない視点で描かれていた村人が、どのようなラストを迎えるかー…

それが屍鬼を読んでいてたまらなく面白かったです。

 

“科学的”から“超常現象”に切り替わる時

序盤、山入での3人の死人が出たことを皮切りに、村では不自然な死が続くことになります。

一見ただの貧血だと思われた患者が翌日の朝、家族が起きたらなくなっている…。

村で唯一の医師・敏夫は疫病を疑い、原因を突き止めようと理論的に探ります。

勿論、これは村にやってきた“屍鬼”の仕業なのですが、敏夫は勿論、村人は誰もそんな超常現象だとは思っていません。

 

理論的・社会的にこの不自然な死を解決しようと奔走する敏夫が、これが“屍鬼”というオカルトな存在が原因ではないかと気づいたきっかけ。

それは村に住む男子高校生・夏野の一言がきっかけだったのですが

その一言から敏夫の思考が一気に切り替わった瞬間がたまらなく面白い!

 

また、頑なに屍鬼の存在を受け入れようとしなかった村人たちが

屍鬼である千鶴の存在をきっかけに一気に屍鬼討伐モードに入るシーンもぞわぞわしながら読み進めました。

 

不自然な死が続いても、誰もが日常を続けようとする。

その隙間を突いて屍鬼が日常に入りこんでくる…

村人は誰もが屍鬼なんてそんな馬鹿げたこと、と言いながらも

頭の片隅ではもしかして…と思う。

必死に日常を続けようとしていた村人が屍鬼の存在を認めてしまった瞬間。

その描き方が流石だと唸ってしまいました。

 

全てが伏線である

読了して驚いたのが、この話の全てが伏線だったこと!

ただの世間話だと思っていた会話が実はこの事件の始まりだった、とか

ただの登場人物として名前が出ただけかな、と思ったら事件に関わる人物だったとか…

読んでる途中から「これは…こういうこと!?」と唸ることが何回もありました。

何気ない伏線ですが、個人的に好きな伏線は序章に名前が出てくる1ヶ月前に病死したという消防士の前田の事。

ただ単に隣町の消防士がこんな奴もいたな、程度に思い返すだけなのですが

読み進めるとそんな前田も屍鬼の餌食になっていて…

登場人物がパズルのピースのようにハマっていくところがとても面白かったです。

 

 

屍鬼とはなんだったのか

屍鬼の親玉である沙子はたびたび「生きるために人間の血を吸うのがいけないことなのか」と静信に問います。

人間だって生きるために動物を殺して食べるではないかと。

それとどう違うのかと問います。

 

作中でも屍鬼の討伐のために暴徒化した村人が

屍鬼と全く関係ない寺の住人たちを屍鬼の仲間と勘違いしてなぶり殺しにしてしまうシーンがあります。

個人的にそのシーンが一番辛く痛ましいシーンでした。

人間も人間を殺してしまうのです。

 

沙子と生きる道を選んだ静信。

燃え尽きて消滅してしまった外場村。

それが『屍鬼』とは『人間』とは在り方を考えさせられる話でした。

 

妄想ですが、屍鬼と人間は共存できないのかな〜

人間側が死なない程度に血をもらって、を繰り返せば永遠に共存できるのでは!?

なんて考えちゃいますが、それもできない事情があるのでしょう…

 

 

 

さいごに

どうでもいい話ですが、こういうお話を読むと自分は登場人物の誰になり得るかなってよく妄想するんですが、私は屍鬼の中では村迫正雄くんかな、と思いました…

多分…愚かに死ぬタイプかなと…(笑)

 

それはともかく、屍鬼は1000ページも超える長編なので、おうち時間が多い今おすすめしたい一冊です。

私もコミカライズ版とアニメ版も久しぶりに見直してみたいと思います!

 

この歳になってようやく気づいたのですが、私こういうホラーサスペンスものが好きみたいで…!

ずっと読書が苦手だと思ってたんですが、好きなジャンルを見つけられなかっただけなんだなという気づきを得ました(笑)

屍鬼も日本特有のじめじめした湿気というか、そんな空気感が伝わる雰囲気がとてもよかったです。

おすすめなホラーサスペンス小説があったらぜひ教えてください!